プロジェクトストーリー

由利橋詳細設計|秋田県

“景観に配慮したシンボリックな存在としてPRしたい”
地域の要望を実現するために、高度な技術力を発揮。

旧橋撤去から新橋詳細設計まで全般に関与。
管理技術者として業務・設計などを統括管理。

地元住民にとってなくてはならない存在の「旧由利橋」は老朽化が著しい上、大型車両が通れる幅員基準を満たしていない、歩道がないなど現行基準の性能を満たしていないため、これを撤去して橋の架替えを実施することとなった。
「旧由利橋の検討業務や補修設計を当社が担当しており、10年以上にわたり架替えに向けた調査や予備検討を実施。国や自治体、大学の先生などによる検討委員会があり、ここにも関与してきました。その経緯もあって、当社は旧橋の撤去から新橋詳細設計まで事業全般に関わることができました」
そう語る熊坂は、詳細設計の段階から管理技術者として、業務全般の工程管理や品質管理のほか、多岐にわたる設計技術者を統括してきた。
「この地域はレガッタのレースが盛んで、河川を大会や練習コースとして利用したい。また、景観や見た目に配慮したシンボリックな存在としてPRしたいという、市の要望もありました。架替えの検討、予備設計、詳細設計、工事の段階で検討委員会に設計者の立場で参画し、思想や考え方などを伝え、意見を調整してきました。苦労の甲斐あって、2013年2月に開通式を迎えた時は市から感謝状をいただくなど、感慨深いものがありました」
橋の架替えは簡単な事業ではない。しかも構造・景観両面で方針を固めるのには、苦難の連続だったと言う。

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地震時の構造解析には3次元の非線形動的解析を、塔の付根や塔・桁のケーブル定着部等の複雑な応力が作用する部分には3次元のFEM解析を適用し、部材設計を実施した。上図は塔付根部の3次元FEM解析の結果出力例。

構造・景観など、全社の知見を結集して
特殊橋梁の美しいプロポーションを実現。

河川をできるだけ広く利用するためには、橋脚は多く設置できない。そのため、斜張橋という特殊な橋梁形式が採用された。
「通常、斜張橋では支間割が左右対称だとバランスがとれます。しかし今回は河川の幅を広くとるため、支間割を55.25mと135.25mとし、非常にアンバランスなものとなりました。ケーブルの太さや張力などを考え、柱が安定できるよう設計するのは非常に困難でした。さらに景観に配慮し、桁高は1.2mと非常に薄いのも特徴です。プロポーションは美しいのですが、実現するには高い技術力が必要でした」
熊坂はこの困難な事業にどう立ち向かっていったのだろうか。
「桁を吊るケーブルの張力バランスをとるため、短径間側の桁内にはコンクリートを充填した上で何十ケースものトライアルを繰り返し、ケーブルの太さや張力を決定しました。難しい事業は一支社で解決するのは困難です。ですから関東・中部支社など全社のスペシャリストの知恵を拝借しました。このときほどOCの"底力"を実感したことはありません。新由利橋は、地元で非常に注目されたプロジェクト。歴史に残る構造物に携わった喜びを感じています」
困難な問題は個人や一支社でなく、全社を挙げて対応するのが近道だと言う熊坂。OCの強みやチームワークを実感する貴重な経験となった。

(2014年10月)

熊坂 徹也(くまさか・てつや)

関東支社 構造部長 東京都立大学卒
約12年間のゼネコン設計部勤務を経て、2003年入社。関東支社で橋梁の計画・設計に携わる。2008年より東北支社技術部長として交通・道路・構造・河川の各分野を統括する。2014年春より関東支社構造部長。

熊坂 徹也(くまさか・てつや)

関東支社 構造部長 東京都立大学卒

約12年間のゼネコン設計部勤務を経て、2003年入社。関東支社で橋梁の計画・設計に携わる。2008年より東北支社技術部長として交通・道路・構造・河川の各分野を統括する。2014年春より関東支社構造部長。

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