プロジェクトストーリー

構造物の防災対策

橋梁・トンネル・ダムなど構造物の地震防災を強化。

防災・減災の実現には、構造物の安全性・機能性確保が不可欠です。阪神・淡路大震災の時、高速道路の高架橋や地中の駅舎など重要な構造物が崩落して以降、耐震設計や補強設計が広く実施されるようになりました。例えばトンネルの場合、地中構造物は地盤の動きに左右されるため、地盤との相互作用を計算するのがポイントとなります。地形や地質、トンネルの形や近接構造物の存在を考慮し、地震応答解析により地震時の挙動を推定します。既設のトンネルに構造的な問題があれば、壁に鉄筋を挿入する、継手に止水ゴムを追加するなどの対策を講じます。
特殊な事例として、ダムの取水塔の防災に関わっています。取水塔とはダムの水位を低下させるため、ダム湖の中に造られる最大高さ80mにも及ぶ筒状の構造物です。壊れると緊急時の水位低下ができなくなり、ダム本体の安全性が課題となります。水を任意の高さから取り込めるように片面が開口となっているため、複雑な動きをするのが特徴です。これまで損傷の報告がないため、詳細なFEM※モデルを作り、どんな壊れ方をするかを検討しました。万一に備えて対策が始まったところです。今後は、地盤や構造条件が複雑な構造物や、防災対策が困難な構造物を対象とする機会が多くなると思います。解析技術や情報機器を駆使し、より明確な評価を行うため構造物の防災・減災技術の高度化を目指します。

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分析用の地盤のFEMモデル。東日本大震災で見られたくり返し回数が多い地震動に対する、トンネルの耐震性検討を実施。また、目地からの漏水の発生原因を分析した。

※FEM...微分方程式を、近似的に解くための数値解析の方法。複雑な形状・性質を持つ物体を単純な小部分に分割することで近似し、全体の挙動を予測しようとするもの。構造力学や流体力学などの様々な分野で使用されている。

(2015年5月)

大竹 省吾(おおたけ・しょうご)

事業本部 国土整備事業・高度化推進室 副室長 東京都立大学大学院了
阪神・淡路大震災以前は地中構造物の構造実験、耐震設計などを担当。震災後、構造物の耐震設計・耐震補強設計、橋梁の交通振動対策や特殊解析にも携わる。

大竹 省吾(おおたけ・しょうご)

事業本部 国土整備事業・高度化推進室 副室長 東京都立大学大学院了

阪神・淡路大震災以前は地中構造物の構造実験、耐震設計などを担当。震災後、構造物の耐震設計・耐震補強設計、橋梁の交通振動対策や特殊解析にも携わる。

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