プロジェクトストーリー

砂防激甚災害対策特別緊急事業|宮城県

施工中のトラブルを克服し、成し遂げた難事業。
他支社やグループ会社との連携で砂防施設が完成。

関西支社からの技術協力を得ながら、
管理技術者として難しい事業に挑戦。

2008年に岩手県内陸部を震源とする地震が発生し、土石流により7人の犠牲者を出した栗原市栗駒の「駒の湯温泉」。今後の土砂災害を防ぐため、防災対策が検討された。
「巨大な地すべりが温泉下流の谷を埋め、上流で発生した土石流が谷付近の温泉を直撃。7名もの尊い命が失われました。対策の基本方針が定まった後、発災から2年が経過した2010年より我々が関わり、その後施設が竣工するまで管理技術者として事業全体を見守ってきました」
長く砂防に携わってきた伊藤だが、決して簡単な業務ではなかったと語る。
「現場条件が悪い上、業務規模も比較的大きい。東北支社で河川砂防に詳しいのは私だけだったので、1人ではとても対応できないと判断。関西支社のメンバーに応援を仰ぎ、協力していただきました。現場に近い私が業務の統括に加え、測量や調査など主に現場に対応し、関西支社では砂防堰堤・渓流保全工の設計を担当。効率的な分業体制で業務を行いました。また難しい地質の課題には、グループ会社のアサノ大成基礎エンジニアリングに協力を要請。基礎地盤の状況を把握するためボーリング調査を実施し、地質の解釈を教わりました」
順調に見えたプロジェクト。しかしこの後、まさかの出来事が伊藤に降りかかる。

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東京の丸の内・大手町地区で実施したゲリラ豪雨による浸水シミュレーションの結果。

完成間近の砂防施設に台風が襲来。
施設を修復し、期間内に業務を完了。

計画・設計を終え、施設の施工が進んでいた2012年秋。台風17号が現地を襲い、伊藤たちが設計した砂防堰堤は甚大な被害を被ったのだ。
「まずは砂防施設の被害状況を調査し、施設の復旧はもちろん、残工事施設の再度災害防止を念頭に置いた対策を検討しました。いわば〝作りかけ〞の状態で、構造体のコンクリートブロックが洪水の勢いで流された状態からどう修復するのか。これは初めての経験でした。しかしすでに信頼関係ができていた発注者や施工者、そしてここでも関西支社のメンバーのバックアップにより、難局を切り抜けました。災害から5年以内にやり遂げなければならない事情がありましたが、ギリギリのところで奇跡的に完了できたのは、全員の気持ちが一つになっていたからです」
2013年11月には砂防施設の竣工式が盛大に行われ、栗原市長や市議会議員全員が列席する式典となった。
「台風による被災という緊急事態を乗り越えた事業だけに、よけいに喜びも大きかったです。他支社やグループ会社と協力して大きな仕事を成し遂げたのは、大きな収穫となりました。この後、東北で砂防関連の大型案件が3件発生したのですが、支社を越えた協力で無事に業務を実施できました。このプロジェクトの土台があったからだと思います」
被災地域のお役に立てたことが何よりも嬉しい。そう語る伊藤はいま、東北の復興に向け全力で取り組んでいる。

(2014年5月)

伊藤 竜一(いとう・りゅういち)

東北支社 技術部 担当次長 東北学院大学卒
入社後、東北支社技術部に配属。主に砂防関連を中心として、河川分野の災害対策施設の計画や設計に従事している。

伊藤 竜一(いとう・りゅういち)

東北支社 技術部 担当次長 東北学院大学卒

入社後、東北支社技術部に配属。主に砂防関連を中心として、河川分野の災害対策施設の計画や設計に従事している。

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