プロジェクトストーリー

王子並河線道路緊急安全確保小規模改良|京都府

全国で広く報道された痛ましい交通事故。
社会実験を通じて推進した緊急安全対策。

車両速度を低下するという課題に向け、
関係者の合意を調整し走行実験を実施。

2012年に京都府亀岡市で、登校中の小学生と引率する保護者の列に軽自動車が突っ込み、10名がはねられ3名が死亡した。ニュースでも大きく報じられ、世間の注目を集めた交通事故。これをきっかけに緊急対策が検討され、三好は管理技術者として対策に追われることとなった。
「いろんな事故対策に携わってきましたが、今回はレアなケース。もともと通学路にもなっているこの道路には歩道がありません。並行する付近の国道では渋滞が多く、抜け道的な道路となっていて車両速度が速い。事故を起こしたドライバーが無免許で、登校時間だったことも災いしました。さらに同時期、祇園でも同様の事故が起き、たまたま同じ地域で事故が連続した。これも注目される原因となりました」
車両速度を低下させるためには、いくつかの方法がある。三好は3種類の施策を提案した。
「道路の幅が狭いため、『ハンプ』『狭さく』を提案しました。前者は高低差をつける方法、後者は道路を部分的に狭くする方法です。その後、地元との協議の中で『リブ側線』、つまり歩行者に近づくとドライバーが気づくよう、障害物を設置する方法が追加されました。社会実験では区間を分け、ハンプ・狭さく・リブ側線の工事を実際に行いました。協議会のような形で進めるのですが、計12回、毎回30名くらいが参加。発注者の県土木、亀岡市、地域の自治会、国交省、さらに警察などいろんな立場の方の意見を聞き、調整して合意を形成していきました。その結果をふまえ、最終的には『狭さく』を導入。ドライバーの反対意見が一番多かったのですが、逆にいえば効果が見込めるはず。納得いただくプロセスは楽ではありませんでしたが、自治会長から了承をいただきました」

設置・運用後に確かな手応えを確認し、
子どもたちの安全を守る使命を実感。

すでに工事は完了し運用されている。その経緯や成果について伺ってみた。
「社会実験が終了後、対策の実施箇所を決めるのには大変苦慮しました。地元住民の意見調整もあり、何度も提案して、さらに指摘を受けてやり直して...。また、警察からは狭さくの設置による二次的な交通事故発生の指摘を受けました。しかし、苦労した甲斐あって設置後に調査を行った結果、速度低下が認められた時は嬉しかったですね。今後も別会社が調査を継続しています。たまたま事故が起きていないだけで、こういう危険な道路は全国に存在しています。現時点では、事故が起きてからの対策が多いのですが、事前の対策も必要。子どもたちの安全を守るため、交通事故を全国から一掃したいですね」
住民が安心して暮らせる社会へ。三好の熱い視線は、次のプロジェクトに注がれている。

(2015年10月)

三好 克治(みよし・かつじ)

関西支社 総合計画部 次長 神戸市立工業高等専門学校卒
1983年入社後、名古屋で17年、東京で4年勤務した後、関西支社に転勤となる。現在は主に道路関連の業務に幅広く従事している。

三好 克治(みよし・かつじ)

関西支社 総合計画部 次長 神戸市立工業高等専門学校卒

1983年入社後、名古屋で17年、東京で4年勤務した後、関西支社に転勤となる。現在は主に道路関連の業務に幅広く従事している。

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