河川の専門知識を防災に活かし
さまざまな地域の課題を解決する
梅川 唯
2021年入社
九州大学卒
梅川 唯
2021年入社
九州大学卒
ダム関連の仕事をしていた家族の影響で自然環境に興味をもち、大学では「水害廃棄物の発生と処理の現状に関する基礎的調査」を行っていました。「自然を相手にする仕事に携わりたい」という思いから、卒業後は河川計画に強みを持つ建設コンサルタント会社へ入社。そこでは、自社開発の解析プログラムを用いて浸水想定区域の検討、河川の水位を予測する業務、河川の整備計画を検討する業務などに取り組んでいました。その一方で、災害の激甚化や大規模な地震の発生を契機に、解析結果を踏まえて防災対応方針を検討することへの関心が高まっていきました。そして2021年、約10年勤めた前職を辞め、河川に関する知識を活かしながら、幅広く防災業務に携われるOCに転職。入社後に驚いたのは、技術士の資格取得に向けた手厚いサポートです。特に役立ったのは、定期的に行われる勉強会と、上司による論文の添削指導。働きながら勉強するのは大変ですが、効率の良い勉強方法を学べたおかげで、私自身もOCへの入社初年度に資格を取得することができました。
建設コンサルタントとして働く上では、「発注者と同じ目線に立つこと」と、「わかりやすく伝えること」を意識しています。これまでは河川の専門知識を持っている方が発注者になるケースがほとんどでしたが、OCへの入社後は河川以外の分野が関係する業務に携わる機会が増え、この事案は河川管理者が責任を持つべきか、自治体が責任を持つべきかなど、判断が求められるようになりました。このため法令や技術基準は特に力を入れて勉強しています。わかりやすく伝えるという面では、「都市開発に向けた浸水対策検討」を担当したことが印象に残っています。過去に計画された大規模な対策施設が示された資料を前に「この規模の対策が本当に必要なのか? 関係機関とどう調整したらいいのか分からない」と、困惑していた担当者に対し、簡単な手法ですが、浸水の要因や各関係機関の責任を持つべき範囲を明確に示すことができる解析方法で検討を行い、結果をもとに対策方針案を説明しました。そうすることで、「自機関が実施すべき対策が明確になり、とても分かりやすく納得できました」と喜んでいただけましたし、滞っていた事業を次のステップに進めることができました。
私の理想とする建設コンサルタント像は、「自身の知識と技術で課題を解決し、組織への利益を生み出せる技術者」です。そのためにも、早く独り立ちすることを目下の目標にしています。現在はさまざまな部署と連携しながら、上司・私・後輩の3人で案件を進めていますが、安心して案件を任せてもらうには、自身の受注率や、チームに対する統率力がまだまだ足りないと感じています。そのため、社会情勢をふまえながら案件を受注・進行できる上司から、日々たくさんのことを学んでいます。また、個人的に今後挑戦したいのは、浸水対策の検討です。例えば、日本では長年、堤防を整備して河川氾濫を防ごうとしてきました。そうすると内水被害が発生しやすくなります。また、地球温暖化を伴う水害の激甚化により、そういった地域は増えており、現在対策が求められています。ハードとソフト両方の視点や知見が必要なので、社内の都市計画や構造設計を専門にする方々との連携も欠かせません。自身の知識を活かしながら、地域はもちろん、組織にも貢献できる技術者を目指し、今後も勉強を続けていきたいです。