現代に安全な場所をつくる
暮らしをつなぐ防災対策
中西 一仁
2017年入社
金沢大学大学院了
中西 一仁
2017年入社
金沢大学大学院了
幼いころから天気や空の様子を見るのが好きで、小学生の時は気象予報士になるのが夢でした。自然災害に興味を持ち始めたのは、東日本大震災や自分自身も経験した能登半島地震がきっかけです。さまざまな大地震を通し、ただ自然現象を見るのではなく、「人の命を守る」ために働きたいと考えるようになりました。社会へ能動的に貢献できる仕事は何か考えた時に、防災施設の計画から維持管理まで広く携わることができる建設コンサルタントが選択肢に浮上。いくつかの企業の説明会に参加しました。OCの懇談会では先輩社員の方が、自分が設計したものが形になる喜びについてすごく楽しそうに語っていて、それが強く記憶に残ったんです。就職先を選ぶ最後の決め手はフィーリングでした。どうしようもなくこの会社に心惹かれたので、自分は就活でOC一社しか受けていません。無事にご縁があってここに入社できて、本当に良かったです。
現在は、土石流から人々の命や暮らしを守るための防災施設である、砂防堰堤を設計する業務に携わっています。砂防堰堤は、山間部のかなり険しい場所に設置するものなので、施工に使う工事用道路や維持管理のための道路、護岸工やのり面対策工など、それに付随する構造物の設計も行わなければいけません。それぞれ同時進行で進めていく必要があり、工程管理にはかなり気を配っています。一人では絶対に業務を遂行できないので、外部の協力者も含め、さまざまな方とコミュニケーションをとりながら進めています。2018年に起こった西日本豪雨では初めて、実際の災害現場を訪れました。自分自身の目で被害状況を確認して、私たちは目の前の建物や人々の命だけではなく、そこで営まれている生活を守る仕事をしているのだと改めて実感することができました。今取り組んでいる業務の重要性を再認識できたことが、今でもモチベーションの一つになっています。
防災と一言でいっても、地域の特性によって、適切な対応は大きく異なります。また気候変動と共に、これまでは安全とされていた場所でも、土砂崩れの危険性が浮かびあがってきました。既に生活や文化が形成されている町に対して、ただ安全のために立ち退きをお願いするだけでは、防災対策とはいえません。私たち防災分野の人間は、そこにある町を手当し、安全な場所をつくるのが仕事です。ますます激甚化する災害から、人々の命や暮らしを守るために。今後は設計の仕事はもちろん、ソフト防災も含めた全体の事業計画を考えられるよう、幅広い知識を身につけ、技術を磨き続けていきたいです。最近では、外部活動としてAIの分科会にも参加しており、最先端技術も含めた対応も模索しています。適切な活用法を見出せるよう、スキルアップしてAIやIoT技術についても着実にスキルアップしていければと思います。