電気通信設備の第一人者となるべく
先駆者の少ない領域にも果敢に挑む
山口 翔平
2021年入社
横浜国立大学大学院了
山口 翔平
2021年入社
横浜国立大学大学院了
学部時代は建築学を主に学んでいたのですが、あるとき、独創的なデザインを考えることよりも、安全性・機能性を確保するためにいくつかの基準・目標値を満たす計画を立てる方が自分には向いていると気づいたのです。それもあって研究室配属後は、建築環境工学という分野に進みました。その中でも私は「照明」に興味を持ち、大型商業施設からの漏れ光や窓面緑化の遮光による心理的効果について研究していました。建物の形は同じでも、例えば色を変えたり、当て方を変えたりするだけで、空間の印象は一変しますよね。そんな照明の面白さに惹かれ、この道を極めたいと思い、最初の就職先には照明器具メーカーを選びました。そこで技術営業として5年間、設計担当者への照明計画支援や社内営業社員との照明納入活動を行っていました。しかし、業務を通し照明の知識が身につく一方で、ゼネコン・設計事務所等で活躍する同期の話を聞き、設計のお手伝いしかできていないともどかしさを感じるようになりました。技術者として、もっと直接的に設計に携わりたい。これが、転職を選んだ大きな理由です。OCを次の就職先に決めたのは、総合コンサルでトンネル・橋梁等の構造物本体の設計も行っており、設備設計として官公庁設備の実績も多く持っていたからです。自分はスポーツ照明・交通照明をはじめとした、屋外照明について多く経験を積んでいたので、そこで得たスキルを活かしながら、今度は技術者として成長できるのではと感じました。
設備設計の業務では、道路・トンネル・河川・ダムなどの多様な施設に、数多くの設備を備えるため、前職よりも幅広い知識・スキルを身につけなくてはなりませんでした。特に土木に関して、入社直後はほとんど知識がなく、今もまだまだ勉強中です。ただ、周辺知識もふまえて発注者とやり取りできる場面も増えてきており、成長を実感しながら働くことができています。2023年にはRCCMも取得。翌年には国土交通省発注業務の管理技術者として初めて、新設予定の自動車専用道路における管理設備の基本設計業務に携わりました。構造物の知識が今まで以上に求められる現場だったこともあり、それらへの理解を深めると同時に、前後の供用済み区間との連続性を配慮するなど、より俯瞰的に構造物・設備を見る力も鍛えられました。照明をはじめとした屋外設備は、人の命にも関わる重要な存在だからこそ、自ら責任をもって設計業務を担当できたことを誇りに思います。また、私事にはなるのですが、同時期に第二子に恵まれたこともあり、3か月間の育児休業を取得しました。管理技術者をしている業務がある中での取得となりましたが、上司や同僚がサポートしてくれたおかげで、業務の遅滞や混乱もなく復帰することができました。周囲の支援もあって、公私ともに充実した一年となりました。
今後は防災等級AAと呼ばれる、最も設備規模が大きいトンネルの設計をしたいと考えています。これらはトンネル延長が長く、交通量も多いため、事故が発生したときに道路利用者に与える影響も大きいです。だからこそ設備の面から、誰もが安心安全に利用できるインフラ作りに貢献できればと思います。また、今は道路・トンネル分野をメインに担当していますが、少しずつ建築設備にも挑戦したいですね。近年、地下道や地下駐車場などにおける、設備設計のニーズが高まっています。一方、建築と土木、両方の設備に対する知識が求められるため、対応できる技術者の数はそう多くはありません。言い換えれば、当該分野はブルーオーシャンでもあります。建築設備の業務経験を増やしたり、建築設備士の資格を取得したりする中で、知見を増やし、いずれは当該分野で活躍できる第一人者になりたいです。また、私個人の成長だけではなく、部署自体もより拡大していかねばなりません。近頃、構造物の老朽化について、AIの導入や管理の自動化による業務効率化が検討されています。少子高齢化が進む中で、設備による省力化は重要だと言えます。現状、社会インフラに紐づく設備について、対応できる企業は限られています。そんなニッチな市場を切り拓き、裾野を広げ、業界を活性化させていく。その一助を担うことができればと思います。