防災の知識を広く身につけ
相手に「伝わる」提案を
山下 久美子
2024年入社
筑波大学大学院了
山下 久美子
2024年入社
筑波大学大学院了
私は九州の出身で、台風や大雨、土砂崩れなどの自然災害のニュースがいつも身近にありました。防災に係る仕事に携わりたいと考えていた学生時代に、東日本大震災を経験しました。避難の呼びかけがされていても、「どうして逃げなければいけないのか」が伝わらず、逃げ遅れる人がいました。SNSで誤情報が広がり、正しい情報を受け取れない人もいました。防災の情報をいくら発信しても、相手に伝わらなければ意味がなくなってしまう——そんな気づきから、私はコンサルティングをとおして相手に正しく「伝える」役割を担いたいと考え、建設コンサルタントという職種を選びました。最初に入社した建設コンサルタント会社では、砂防系の部署に所属。そしてさまざまな経験を積む中で、「砂防だけでなく幅広い分野の専門知識を身につけ、複合的な課題を解決したい」という思いが強くなっていきました。そんなときにOCから転職の誘いをいただき、さまざまな分野のスペシャリストが活躍しているだけでなく、分野をまたいだ仕事が多い環境に魅力を感じました。「ここでならもっと自分のスキルを高められるのではないか」と感じたのが、転職を決めた理由です。
入社して半年も経たない頃、私は信濃川河川事務所の「流域治水検討業務」に携わりました。これは直轄河川事務所でも日本初の試みとなる、3D都市モデルを用いた先進的なプロジェクトです。私は住民の「水害リスクの自分事化」を促進するため、何時間後にどこがどのくらいの高さまで浸水するかが一目でわかる「動く3Dハザードマップ」の作成に挑みました。どうすれば住民にリスクが「伝わるか」を考え抜き、3D都市モデルの建物データに実際の住宅や施設の写真を貼り付けるといった工夫を凝らしました。単にシステムをつくるだけでなく、どのような環境でも利用できる防災学習素材を提供することを考慮して、解説ナレーション付きの動画やVRデータをつくるなど、相手の目線に立ったアウトプットもこだわったポイントの一つです。社内や協力会社と連携しながら全力を尽くした結果、高品質な成果を納めることができました。未経験の作業内容や膨大な業務ボリュームに苦労する時期もありましたが、中途入社して間もなかった私がこれほど大きなプロジェクトに貢献できたことは、大きな手応えとやりがいになっています。
長年携わってきた砂防分野の知識をこれからも活かしつつ、他の分野の技術者とも協働することで、さまざまな課題を解決していきたいです。防災の分野はとても幅が広いので、自ら学び、周りから学ぶことを常に意識することが大切だと考えています。複数の分野の「つなぎ役」になりながら、自分自身の知識や経験の幅を広げて、色々なプロジェクトに貢献できる技術者になることが、一つの目標です。そのために、今後も食わず嫌いすることなく、さまざまな仕事に取り組んでいきます。