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道路整備・保全事業

地下構造(トンネル・地下道・地下駐車場・地下空間・特殊構造・解析実験)

長年培ってきた技術力で、新設から補修・補強まで総合的に対応

トンネルや地下構造物は、地上空間の環境保全や土地の有効活用に大きく貢献しています。当社は、トンネル本体・設備の計画から維持管理、補修・補強まで一貫した多くのトンネル技術(山岳トンネル、開削トンネル、シールドトンネル、沈埋トンネルなど)を提供しています。

トンネル工事岩判定資料とりまとめ業務
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山岳トンネルの施工の際には、トンネル切羽に岩判定技術者が参集して切羽の地山評価を行い、必要に応じて支保パターンの変更を行うトンネル切羽岩判定が行われています。しかし、熟練した岩判定技術者の減少、現場へのアクセスの困難さ等の課題があり、トンネル切羽岩判定の実施効率化が求められています。そこで、トンネル切羽岩判定の実施効率化のため、遠隔地からトンネル切羽岩判定を可能とする遠隔臨場システム構築を実施しました。当システムは岩判定員の目による直接の現地判定と同等程度の判定を可能とする機器スペックを持ち、さらに、無線通信確立が難しいトンネル坑内においても安定して高速無線通信が可能なものとなっております。本システムを活用することで、これまでスケジュール調整等によりトンネル切羽岩判定への参画が難しかった有識者を含む第三者や豊富な経験を持つ発注者側技術者の参加が可能となる新たな付加価値の創出が見込まれます。

国道42号トンネル補修設計
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和歌山河川国道管内の国道52号の9トンネルを対象とした補修設計を行いました。トンネル内に歩道や監査廊がないことから、走行型計測を活用し現地踏査を行いました。走行型計測では、画像計測と3次元点群データ計測を行いました。画像計測では、トンネルの変状の最新の状態を確認、3次元点群データ計測では、取得した3次元点群データを活用し、外力性の変状が発生しているのかを分析・検討しました。対象トンネルには、内部に吹付コンクリートを施工したトンネルもあり、材質劣化によるうきが発生していたことから、吹付コンクリートを撤去し、補強対策を設計しました。吹付コンクリートの撤去方法含め、施工手順が分かりにくいことから、3次元点群データを活用し、CIMモデルを構築し、視覚的に施工手順が分かるモデルを活用し説明を行いました。

高知県室戸市津波避難シェルター
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高知県は南海トラフ地震に伴う津波による被害が懸念され、特に当該建設地においては住宅地が海岸と崖地に挟まれた位置関係にあるとともに、津波の想定到達時間が約16分と非常に早く、高齢者が多い当該地域の住居者が高台や遠くへの避難が困難であることが課題でした。そこで、山岳トンネルによる横穴式の避難シェルターを提案し、短時間で移動可能で安全な空間として、地震そのものに耐えることができるトンネル躯体、本空間から地上に出 ることができる立坑を設計しました。また、津波到達後に避難空間として必要な諸設備を計画設計し、高齢者が逃げやすく、かつ24時間避難可能な避難施設としています。本施設には、今回計画する津波避難施設として必要な、水密止水扉、外部電源が切れた場合の非常用電源、避難者の避難空間としての換気等の諸設備、立坑頂部に計画した山腹への出入り口(換気塔兼用)建屋、頂部に移動するためのらせん階段等が必要で、さらに、運用面や日常使いに関する検討などをソフト面から検討し、施設管理等への提案も実施しています。本施設は、地構造分野にとどまらず、他分野のハード・ソフト技術を結集し、あらゆる面からの検討を踏まえ実現された施設です。

海の森トンネル(沈埋トンネル:東京港臨港道路南北線事業)
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東京港臨港道路南北線整備事業のうち、有明の10号地その2地区と中央防波堤外側地区を結ぶ区間では2カ所の海上区間を有し、当社は国土交通省関東地方整備局が施工する臨港道路南北線(以下、「海の森トンネル」)の沈埋トンネル全7函・約930mのうち、5函・約670m設計に携わっています。同事業は2020年開催予定であった東京オリンピック(新型コロナウイルスの影響により2021年開催に後に変更)に向けて整備する方針とされ、沈埋函(7函)の製作期間や、沈設期間から、細部設計に与えられた時間は約1年と前例のない極めて短期間でした。沈埋函の製作、沈設を異例の短さである3年半の期間で完了するため、沈埋函形式は鋼殻を工場製作後、造船ドックにおいてブロック組立を行うフルサンドイッチ工法(鋼コンクリート合成構造)を採用し、1函当たりの長さは国内最長となる134mでした。ブロック組立を行った沈埋函は造船ドックを出航し、建設地近傍まで曳航後、海上にてコンクリートを打設した後に建設予定地に沈設されました。当社は、これらの施工方法、施工手順を前提とした沈埋トンネル、施工に必要な艤装設備の設計を実施し、トンネル完成時だけでなく曳航時、海上コンクリート打設時、沈設時において安全な構造物を計画、東京オリンピック開催前の2020年6月の供用開始に大きく貢献。この功績が認められ、日建連表彰2022(土木賞)を設計者の立場で受賞しています。なお、沈埋工法を採用した海底トンネルは、国内で30事例ほどあり,直近では約10年前の「那覇港臨港道路(沖縄県)」「新若戸道路(北九州市)」「大阪夢咲トンネル(大阪市)」となるが、すべてに当社の設計技術が用いられています。

横浜環状北線・北西線避難施設設計
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都市部においては景観や環境への関心の高まりを受け、近年は新規路線建設時にトンネル構造を採用する事例が増えています。一方、閉鎖された空間であるトンネル内で火災が発生した場合に甚大な被害が生じる恐れがあるため、避難施設を設置する必要があります。当分野では、避難施設を構成する避難扉、すべり台構造、階段構造等について実証実験を含めた設計サービスを提供した実績を有しており、安全安心な地下空間の利用に貢献しています。

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