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AI等を活用した河道管理の効率化・高度化類

河川・海岸 DX UAV測量
発注者

自主事業(株式会社オリエンタルコンサルタンツ・株式会社スカイマティクス)

期間

2019年8月~

地球温暖化により災害が頻発化、河川管理の重要性が高まる一方、予算や人材の不足が課題となっていました。限られたリソースで、効率的かつ高度な河川管理を実現するため、河川巡視においてUAVを活用。河道の状態変化を評価できるようにし、管理者の対策判断を支援するサービスを開発しました。


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UAV技術を活用したクラウドサービスを開発し、
河川管理を効率化、高度化する。

近年、地球温暖化を原因とした集中豪雨が増えており、河道および河川管理施設の危機状態を適切に把握・評価し、対応する河川管理の重要性が高まっています。しかし、状況に反して、河川を日常的に管理する人材や予算は減少傾向にあります。
河川や堤防、水門などの状態を把握する手段として、定期的に行う河川巡視があります。一方で、アプローチが困難な箇所については、確認の遅れや漏れが出る恐れがあるほか、変化の定量評価も難しいのが現状です。今後、限られた人員と予算で適切に河川管理を行うためには、新技術の活用による効率化・高度化が必要不可欠でした。
こうした状況の中でOCは、河川巡視へのUAV技術活用をテーマに国土交通省の「革新的河川技術プロジェクト」に応募。それをきっかけとして、面的に取得した画像データから、定量化可能かつその必要性のある対象として河道変化に着目し、株式会社スカイマティクスと共同で、AIとそれを提供するクラウドサービスの開発に着手しました。2022年10月からは、甲府・浜松・福知山などの河川国道事務所での試行を経て、クラウドサービスの運用を実施しています。

※UAV:無人航空機/ドローン

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AIを活用し変化の見える化・定量化を実施、
正確かつ安全性の高い河川管理を行う。

本サービスではまず、衛星画像を取得しAI等により解析、対策候補箇所を抽出します。その後オルソ画像から、水域・砂礫地・草地・樹木など河道の分類を実施。分類ごとの面積・経年変化から、対策の候補地を選出します。
次に、UAVで撮影した高い解像度の写真でAI解析をし、前工程では得られない高さ情報も含めて評価を行い、最終候補を選定。担当者は各場所について判断をするのみとなり、河川管理のコストや手間を大幅に削減することができます。また、繰り返し行うことでデータが蓄積されていき、AIによる複数時期の分類結果を比較することで変化箇所の明確化や変化の定量化が可能に。クラウドサービスでは、AI解析の機能とUAVや航空写真、衛星画像等の各種画像の一元管理機能をパッケージとしたものを提供しています。
河川管理に関する人材・予算が限られる以上、建設DXは今後、さらに推進されていくと考えられます。本プロジェクトのコア技術である、AIによる河道の分類や変化箇所の抽出・評価においても、最先端の技術を積極的に活用。可視光画像だけではなく、近赤外波長やSARといった衛星データ、3次元データ等も活かしながら、より適切に河川管理者を支援していく予定です。今後も、効率的・効果的な河川管理の実現に、技術で貢献していきます。

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