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南紀白浜空港ワーケーション事業

都市政策・都市開発・建築 DX
発注者

自主事業(株式会社オリエンタルコンサルタンツ・株式会社淺川組)

期間

2020年9月~2022年10月

和歌山県において、ワーケーション施設の設備強化が重要な施策の一つとなっています。OCは、南紀白浜ワーケーション事業において、施工時にBIMデータを活用。精度の高い木造軸組みや、スムーズな施工を実現しました。今後は、維持管理BIMのファシリティマネジメント連携に向け、本施設を運用しながら研究開発を行う予定です。


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注目が集まるワーケーション施設の施工において、
BIMデータを適切に活用し、複雑な木造軸組みを実現。

観光地や地方でリモートワークを行うワーケーションに注目が集まる中、和歌山県知事は施策の一つとして「ワーケーション施設の設備強化」をあげています。OCが取り組む南紀白浜ワーケーション事業では、空港利用者の利便性の向上や「地域の関係人口」の創出に向け、空港と隣接する公共用地にビジネス拠点を整備しました。本事業では、地元の建設会社である淺川組と共に、民間提案型の仕組みを構築。また、事業公募に向けた技術的検討や関係機関との調整、組成準備と事業計画の作成なども行っています。
ワーケーション施設のデザインは、南紀白浜空港国際線における増築棟の内装を手がけたNIIZEKISTUDIOの新関氏と協働で制作。さらに、木造建築のエキスパートである株式会社シェルターと共に、BIMデータの活用により複雑な木軸加工を3Dで検証し、精度の高い木造軸組みを実現しています。
工事管理を進める中で、施工進捗に合わせたBIMデータの修正ができないという課題が浮上しました。施工会社が施工BIMの作成に慣れていない場合、施工図の大半を下請けの2D図面でチェックすることになります。本工事においても、製品の品質を維持したままコストを低減するVE(バリューエンジニアリング)に対するBIMデータ修正に時間がかかり、進捗に遅れが生じるため、2D施工図面を活用する割合が大きくなっていました。そこで、現場との整合性が重要となる干渉チェックや納まりチェックは施工BIMで実施。維持管理BIMについては、施工図を承認し終えた段階でまとめて作業し手戻りを減らすことで、かかる時間と労力を軽減し、現場のスピード感に合わせて動けるようにしました。加えて、OC社内におけるBIM技術向上を目標に、技術者や社外協力者などリソースの拡充を促進しています。

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維持管理BIMのFM連携に向けた研究開発を実施、
アセットマネジメントの効率化に貢献する。

現状の建築業界全体においてBIMデータは、施工や改修時に活用される「つくるためのBIMデータ」と、運用管理で使用される「使うためのBIMデータ」の2つに分かれています。【基本構想~計画+基本設計~実施設計+工事監理+維持管理】というライフサイクルマネジメントを実現するうえで、施工部隊を持たないOCとしては「使うためのBIMデータ」作成が今後の課題となります。そこで、FM(ファシリティマネジメント)においてBIMデータを活用するために、「維持管理BIM」を作成。南紀白浜空港のワーケーション施設を運用しながら、FMソフトへの連携に向けた研究開発に取り組んでいきます。
建設DXが進む中、アセットマネジメント分野へのDX技術の活用も大きく前進しています。計画から運営にわたるトータルマネジメントにおいて、運用時点でBIMデータを活用する手段が重要となる以上、維持管理BIMのFM連携が、施設運営において価値を持つようになります。加えて、その一歩先を行く、AIとの連動による建築物のDX化もさらに加速していくと考えられます。
今後は、FM連携システムの研究を進めることで、OCが維持管理する施設のアセットマネジメントの効率化と、受注拡大に貢献していきます。

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